自分の文章力の無さに絶望した

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この先キモスなゾーンです



キ妄想に耐性のある方のみ



お進み下さい!

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【登場人物】
オニン(汚い忍者。本名:笠松伸夫)
美鈴(オニンの同じサークルの先輩。フルネーム:紅美鈴ホンメイリンだがここではクレナイミスズでw)


りゅーさん(名前だけの登場。オニンの同じサークルの先輩。竜騎士・・・ではない一般学生w)












「急に飲み会を抜け出したと思ったら、やっぱりここにいたんですね」

声をかけられた少女が振り返る。
幾分幼さを残す表情も月明かりに照らされどこか大人びて見える。


「なぁんだ。オニン君かぁ。」
「ずいぶんな言い草はこんな時でも相変わらずですね、美鈴先輩」


美鈴は手に持っていた缶チューハイを一口グビッと飲んだ。
いつもより色っぽく見えても飲んでるものは変わらないなぁ、とオニンは密かに思う。


「ごめんなさい。冗談よ。私もそろそろあなたが来るんじゃないかって考えてたとこだったの」


「へぇ。いつからエスパーになったんですか」
「んー、一昨日ぐらい?」

美鈴は顎に人差し指をあてながら答えを返すが
実際のところはいつもこうしてココで話す事がお決まりのパターンになっているからだった。



「それは割と最近ですね。祝杯あげないと」
「それもそうね。ふふふ」


オニンは美鈴の隣に座ると持っていた缶ビールを美鈴の方へとかざす。美鈴も同じように缶を差し出す。


カンパーイ



2人飲酒中...






オニンが適当に飲み会から拝借してきたスナック菓子をパリパリ食べる2人。


「ねぇ、オニン君。ここで最初にこうやっておしゃべりした時の事覚えてる?」

「覚えてますよ。あれは確か『うほ!いい男祭』の時でしたよね」

「そうそう。あの時もここで独りで月見酒してたのよね」

「ここは先輩のお気に入りの場所ですもんね」

「そうなのよね。ここは小高くなっててお月様もよく見えるし、もたれ掛かれるしね。
 それにこの木の傍にいるとなぜだか落ち着くのよね」

2人の通う大学には小高くなった丘があり、その丘の上には大きな木が生えているのだが
何かあるたびに、ここで巨木にもたれ掛かって話すのが2人の定番となっていた。
そんな戦友のような巨木を労うように美鈴は幹をポンポンと優しく叩いている。

「へぇ。そうだったんですね。でも、夜にこんなとこ普通はいませんって。それも女の子独りで」

「あら?私は女の子じゃないのかしらね〜w確か最初にここでオニン君に声かけた時・・・」
「だぁあああ!忘れてくださいよそれは。夜にあんな人気の無い場所に誰かいたらビビリますって」
「ごめんごめんwでも、あの時のオニン君の顔はケッサクだったわね。写真撮っておけば良かったかしら」


そう言って写真ん撮る真似をしながら本当に可笑しそうにケラケラ笑う美鈴。


「あれは仕方ないですよ。あれでビビらないやつのが珍しいです!」
「はいはい。じゃあそういう事にしといてあげますか」
「ありがとうございますー。謙虚すぎてすごいなー、あこがれちゃうなー」
「うわー、凄い棒読みだね。。」
「ありがとうございます」
「褒めてないってば」




2人飲酒中...




「そういえばオニン君、あの例の子と付合ってるんだっけ?」

隣に目をやるとで美鈴がほとんど空になったチューハイの缶を手持ち無沙汰な様子でクルクル回していた。
暗くて見えない表情ではあるが声の調子からニヤついているのは明らかだった。

「もう、とっくに振られましたよ。人の傷ほじくりかえさないでくださいよ」
――(ホントは全然なんとも思ってないけどね)


例の子とは1年ほど前に告白されて、断りきれずに付合っていた子の事だ。
傍から見ると上手くいっていたように見えたようだが全然そんな事はなく
1年もたたない間にそんな関係はあっけなく破綻をむかえたわけであるが。


「ふふふwごめんね。知ってて言っちゃった」
「なんてやつだ・・・」
「先輩に向かってなんていう口の聞き方、別れたい・・・」
「誰とですか!w」
「さぁ?w」


どちらからともなく笑い出す。
2人の笑い声だけがあたりに響いていた。





2人談笑中...





「ふぅ・・・」
「どうしたんですか疲れたんですか?」

美鈴の方を見るが下を向いていてその表情はよく読取れない。
だが、普段の美鈴はそう簡単には人前で弱い姿を見せたりする方ではないだけに心配になる。

「ん。まぁ、ちょっとだけね」
「もう戻ったらどうです?」
「もう少しココにいたい、かな」
「そうですか」
「もうココでこうやっていられるのも長くないもの」
「・・・」
「・・・」
「そうですね・・・」


オニンより1つ年上の美鈴はもう4年生、卒業までもう1年も無い。
今まで何気なく過ごしてきたことでも今は全てがかけがえの無い時間に感じているであろう
そう考えるとうまい言葉が見当たらなかった。


「『そうですね』じゃないわよ。もう少しこう気の利いた事言えないのかしら?w」
「心配したボクがバカでした・・・」

いつもと変わらない軽口のたたき合い。心配は杞憂だったのか。
それはオニンに安堵感とちょっぴりの残念さが混ざった複雑な気持ちにさせた。


「でもね。寂しいのはホント」
「え?」
「私、この学校に、ううん。みんなやオニン君と知り合えて本当に良かったって思ってる。
楽しい事や辛い事もあったけどそれも全部含めて楽しかった。一生の思い出になると思うの。
でも、やっぱり『思い出』は『思い出』でしかない。振り返るだけのもの。いつかは色褪せていってしまうものなの」
「・・・」
「今こうして私たちが生きている。それは『思い出』じゃない『イマ』なの。私はこの『イマ』を生きられて本当に幸せよ。
でもね、今のこの大好きな『イマ』もいつか『思い出』に変わっていくの。それを考えるとね、すごく寂しいなぁって。
時が止まればいいのになって本気で思っちゃうもん、最近。バカみたいだよね、私」
「・・・先輩は変わった考え方をしますね」
「そうかしら?自分ではいたって普通だと自負してるんだけど」
「・・・」
「・・・」





「オニン君は寂しくないのかしら?」
「え?」


缶を回すのをやめて美鈴が問う。
とっさの事に何も答えられないでいるオニンに向かって続ける。

「私やりゅーさんが卒業して居なくなっても平気?」
「そりゃ、寂しいですよ。もちろん」
「そっか。お世辞でも嬉しいわ。ありがとう」
「お世辞なんかじゃなありあませんよ」
「そう・・・」





2人沈黙中...





「寒くなってきたね」
「そうですね・・・」


2人の間を夜風が吹き抜ける。
半袖では少し少し肌寒いぐらいになってきた。


「・・・ちょ、先輩!?」
「ん?」


美鈴がオニンの肩に身体を預けてきたのだ。
美鈴はオニンにの肩に頭を乗せる格好になっていた。
不意に腕や肩に触れた柔らかい感触やほのかな甘い香り(チューハイのにおいが主だが)と腕にかかる質量にオニンは驚く。
その拍子に手に持っていたビールの缶を落としそうになるが、ギリギリのところで抑えた。
しかし、心臓はバクバクいっている。
落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせ動揺しているのを悟られないよう必死になった。


「なにしてるんですか、いきなり?」


「なにかあったの?」
「何もない」
「私のログにはなにもないわね」


ナゾの言い回しで美鈴がまくし立てる。

「すいまえんでした;;  ってなにやらせるんですか!」



「先輩が」
「誰に?」
「ボクに」
「何かしてるかしら?」
「もたれかかられてます」
「もたれかかってますよ」
「開き直った」
「だめかしら?」
「ダメだと思います。一般論的に」
「あら、そうなの?」
「そうですよ。離れましょうよ、ね?」
「そんなに私にくっ付かれるのが嫌なの・・・?」
「い、いや、そういうことじゃないですけど・・・」
「なによ、はっきりしないわね。疑わしきは罰せず、はっきりせずはもたれかかる」
「なんですかそれ・・・しかも、語呂悪いし・・・
 で、とりあえず離れる気なさそうなのだけはわかりました」
「流石よくわかってるじゃない。ちょっと寒かったから肩借りただけ、それだけよ。
 男なんだからそれぐらいでわーわー言わないの」
「・・・」
「まぁ、肩ぐらいいいですけどね」
「ふふふ、ありがと。」
「・・・」
「・・・」
「でも、それ・・・」
「ん?」
「暖かいですか・・・?」
「・・・全然」
「・・・」



「オニン君ってなんで例の子と別れちゃったのかしら?」
「合わなかっただけですよ」
「ふぅ〜ん。そうなんだ」
「それがどうかしましたか?」
「ん〜ん。聞いてみただけ」
「悪趣味ですよ・・・」
「そうかな?楽しいよ?私は」
「それは先輩は聞いてるだけだから・・・そういう先輩こそどうなんですか?」
「なにが?」
「なにがじゃないですよ。先輩だってモテるくせに。色々噂聴きますよ?」
「でも、誰とも付合ってないじゃない。モテないのよ私は」
「断ってるだけでしょう」
「いいの私には私の考えがあるのよ」
「考えですか。でも、勿体無いですね先輩ぐらい可愛かったら付合ってて当然って思いますよ」



「じゃあ、オニン君、付合ってよ?」
「え?」
「・・・」
「・・・」
「冗談よ」
「え?」
「ただの、冗談」
「いや、僕はその・・・」

その先の言葉は美鈴の指によって制された。
もうその先は言わないでとその目が伝えていた。


「冗談ついでだから、これも言っておくけど、一昨年のバレンタインの事覚えてる?」
「え?まぁ、おぼえてますけど」

2年前のバレンタイン。オニンは美鈴からポッキーをもらった事を思い出す。

「確かポッキーをもらいました」
「そう、ポッキーをあげたの」
「自分で作るって言ってて結局できなかったって言ってましたよね」
「うん。でも、それはウソ」
「え?」
「本当は作ったの。作ったけど失敗しちゃってポッキーにつけるぐらいしか残らなかったのよ
 恥ずかしくて言えなかったけどね」
「・・・」
「・・・」
「・・・おいしかったです」
「遅いよ・・・バカ」
「ごめんなさい・・・」


2人苦笑中...


「ん〜〜〜」

ずっと座っていて体が凝ったのだろう、美鈴が大きなノビをする。
ノビをし終わった後の美鈴は何かに気付いたようだ。空をじーっと眺めている。

「オニン君?」
「はい」
夏目漱石が「I love you」って言葉を日本語に最初に訳した時
 なんて訳したか知ってる?
「いや、全然知らないです」
「『月が綺麗ですね』って訳したそうよ」


オニンは上空を見上げてみた。先程美鈴が何を見ていたのかがわかった。
今日はどうやら満月のようだ、真ん丸いお月様が空にぽっかりうかんでいる。
それは何故だかいつもよりもとても綺麗に見えた。

「すごいですね、それは」
「そうね。本当に凄いと思う」
「・・・」
「・・・」


「じゃ、そろそろ戻ろうか?ごめんね私の長話に付き合わせちゃって」


「月が綺麗ですね」
「・・・」



「聞こえなかったですか?月が綺麗だなって言ったんですよ」
「そうね。本当に綺麗だわ」

目と目が合う。お互い自分の表情は見えないが
ニヤニヤしているんだろうと思いつつそれでも目が逸らせなかった。

「ずっと、好きでした先輩」
「ホントに遅いわよ、バカ。」


幸せそうな笑顔にほんの少しの涙を浮かべた美鈴が形だけの悪態をつく。

「さっき先輩は『イマ』が『思い出』になっていくのが寂しいって言いましたよね」
「先輩じゃないでしょ?」
「め、美鈴は」
「よろしい」
「だから、俺はずっと美鈴の『イマ』であり続けますよ。もう離れないし、離さないですから」
「ありがと。でも、大丈夫よ」
「ん?」
「私もそのつもりだから。私のこと『思い出』なんかにしたら許さないんだから」
「はい!」


2人ギュッ魔王中...(この辺の描写、経験不足により書けませぬw)




それは本当に月の綺麗な夜の事だった。


その後、明け方なのにヤケに上機嫌の2人がサークルの皆の前に現れたのは言うまでもない。